教材の種類について

『Dr.+エジソン』では、『Scratch』というビジュアル型プログラミング環境を利用して授業を進めています(※中学生には一部Python)。これはゲームや物語、音楽など、プログラミングでできるかなりのことが学習できる、優れた教材環境です。下記リンクが、Scratchのホームページです:
https://scratch.mit.edu/
世界中で利用されており、小学校授業でも今後取り入れられる可能性が高いと思われます。授業ではこの『Scratch』を利用し、ときに市販書籍を利用することもありますが、基本的にオリジナルの教材を制作、使用しています。

プログラミングに限りませんが、指導方式としては、大きく4種:
教師指導型、動画型、ドリル/パズル型、ゲーム型
があります。
教材で様々な工夫がされているため必ずそうとは限りませんが、一般的には以下のような特徴があります。

<教師指導型>
メリット: 生徒の個性、状況に応じて内容を変更できるため、最も学習効率は高くなります。
デメリット: 人件費が高くなるため、授業料が高くなるか、アルバイトを多用する形態となりがちです。クラスの生徒数が増えてくると、各生徒の理解度に応じた個別対応が難しくなります。

<動画型>
メリット: 利用者が多数になっても人件費が固定できるため、比較的安価にサービスを提供できます。
デメリット: 生徒の個性、状況に対応できないので、目的意識が高い生徒でないと、興味、集中力が持続しにくい傾向にあります。インタラクティブでなく、また反復学習がしにくいため、簡単な内容なら理解できても、高度で複雑な課題に対しては本質的な理解が不十分になる恐れがあります。

<ドリル/パズル型>
メリット: 反復学習がしやすく、利用者が多数の場合、人件費が抑えられるため、比較的安価にサービスを提供できます。
デメリット: 簡単な内容なら学習効果は高いですが、高度で複雑な課題に対しては、生徒がどこでどのようにつまづくか、詳細を把握することが難しく、本質的な理解が不十分になる恐れがあります。教材や指導方法に工夫がないと、反復学習が持続しません。

<ゲーム型>
メリット: 楽しく自分から進んで取り組むことが出来ます。
デメリット: ストーリーを重視すると、体系的な学習が難しくなります。簡単な内容なら理解できても、高度で複雑な課題の本質的な部分を理解させるには大量の教材が必要となり、開発費がかさむため受講料等のコストに影響します。

『Dr.+エジソン』ではこれらのデメリットを補うため、

  • 基礎事項の習得には動画、
  • その理解確認用にScratchを使ったドリル/パズル、
  • そして生徒の興味、集中力を増すためのゲーム、

という形で、それぞれの教材の長所を組み合わせたオリジナル教材を用意しています。また熟練の教師が生徒の理解度、集中力を常に見ており、その状況に合わせて教材を選択しながら指導しています。

『Dr.+エジソン』が開校してから1年、授業時間数も300時間を超えました。その中で分かってきたことは、作ってもらうゲームが楽しいほど、プログラミング自体の理解が浅くなってしまう傾向のあること。生徒にもよりますが、ゲーム制作の中でしっかりとプログラミングの考え方、やり方を教え、その時は仕組みを理解してくれていても、次回に確認するとほとんど忘れている、というケースがありました。ゲームを題材にせず教えたときは、後になってもかなり理解しているので、どうやらゲームの完成に夢中になってしまって途中のプログラミングの理解が浅くなってしまうのだと思います。このため現在は、ベースとなる作品はできるだけシンプルなゲームとし、いかにワクワクさせながら授業を進めるか、ということに注力して教材を少しずつ改良しています。